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遺言の失敗事例

  • 文責:所長 弁護士 武田彰弘
  • 最終更新日:2023年4月12日

1 公証役場に任せっきりにした遺言

公証役場に相談して遺言書の内容を決めれば、完璧な遺言書を作成できると考えている方は少なくありません。

しかし、公証役場で遺言書を作ったとしても、その内容によっては、かえって争いを助長してしまうことがあったり、そもそも遺言書自体が無効になってしまったりするケースもあります。

また、公証人の言うとおりに遺言書を作成したものの、相続税のことを何も考えておらず、相続税が安くなる特例を使えなかったというケースもあります。

なぜ、このように公証役場で作成した遺言書なのに、不備があるものになってしまうかというと、公正証書の作成に携わる公証人の中には、相続や相続税に詳しくない人がいるためです。

特に、相続税の知識がある公証人はほとんどいない印象です。

そのため、公証役場で遺言書を作成する場合は、公証役場にまかせっきりにするのではなく、専門家に文案を作成してもらうことをおすすめします。

2 相続に詳しくない専門家に依頼した遺言

専門家であっても、相続に詳しくないような場合には、トラブルを招く遺言書ができてしまうおそれがあります。

⑴ 予備的条項がなかった遺言

相続に詳しくない専門家に遺言書の作成を依頼した場合、遺言書に不備があり、トラブルになるかもしれません。

相続に詳しくない専門家が作成する遺言書で、よくある失敗事例として、予備的条項がない遺言書というものがあります。

予備的条項とは、財産を受け取る方が先に亡くなった場合に、あらかじめ次に財産を受け取る方を指定しておくというものです。

たとえば、財産を長男に相続させるとし、長男が先に亡くなった場合は、孫に相続させるという内容です。

この予備的条項を書いていないと、財産を受け取る方が先に亡くなった場合、その人に相続させるとした遺言書の内容が無効になります。

そうなってしまうと、先に亡くなった人に渡すとしていた遺産について、相続人全員で分け方を決めなくてはならなくなります。

その結果、相続人同士で分け方を巡りトラブルになる可能性もありますので、注意が必要です。

⑵ 一部の財産が欠けていた遺言

次に、よくある遺言書の失敗事例として、遺言書に書かれていない財産があった場合です。

たとえば、自宅の土地と建物を長男に相続させ、預貯金を長女に相続させるという内容は書かれているが、自宅の前の私道や株式などの財産については一切書かれていない遺言書などです。

この場合、相続発生後に、相続人全員で他の財産の分け方を決めなければならず、結果として相続人がもめてしまうことがあります。

そうならないためには、一部の財産だけでなく、すべての財産について誰が取得するかを遺言書に書いておく必要があります。

⑶ 相続税を考慮していなかった遺言

最後に、ほとんどの専門家が意識していない点として、相続税を考慮していない遺言書があります。

誰にどの遺産を渡すかによって、納める相続税が大きく異なることがあります。

しかし、遺言書を依頼する専門家の中には、相続税についてほとんど知識や経験がない方も少なくありません。

実際にあった遺言書として、相続税に詳しくない専門家に依頼してしまい、ある土地を一人の相続人に相続させた方が、相続税額が数百万円変わっていたにも関わらず、それを意識せずに遺言書が作られたケースがあります。

3 遺言作成で失敗しないためにできること

このように、公正役場で遺言書を作成したとしても、また、専門家に遺言書の作成を依頼したとしても、失敗してしまうケースがあります。

そのため、遺言書の作成に失敗しないためには、相続に詳しい専門家に相談することをおすすめします。

具体的に、相続に詳しいかどうかについては、その事務所に弁護士や税理士が多数在籍しているか、その事務所のホームページに相続関係の記事が多く掲載されているか、相続に特化した事務所かどうかで、ある程度判断することができます。

遺言書で失敗をすると、相続人同士の紛争が起きてしまったり、税金で損をしてしまったりする可能性があるため、遺言書の作成に失敗しないためにも、専門家選びは慎重に行うようにしてください。

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